wrapper_hed



My South Africa Story
南アフリカって一体どんな国なの?!
そんな疑問に答えるには南アフリカに行ったことがある人の話を聞くのが一番!!
南アフリカ観光局ではこれまで南アフリカに行ったことがある人にインタビューをし、それぞれの南アフリカ体験を語ってもらいました。南アフリカに興味がある人、南アフリカ旅行を考えている人、南アフリカ経験者の体験を是非参考にして下さい。

  第1回 「南アフリカの魅力はその多様性と野生!」 — 菅原千代志(カメラマン兼ライター)—

  第2回 「南アフリカの空気を感じてもらいたい」 — 川上剛貴(現地手配代行会社勤務)—

  第3回 「自分を見つめられる場所」 — 礒嵜みどり(現地手配代行会社勤務)—

  第4回 「南アフリカ人のホスピタリティー」 — 広瀬恵理(PRコーディネーター)—

  第5回 「アフリカだったら山やオフロードも走ってみたい」 — 中村薫(KaO)(プランナー/自転車アクティビスト)—

  第6回 「プラスアルファを楽しめる、さまざまな表情を持つ国」 — 謝孝浩(ライター)—


第1回 「南アフリカの魅力はその多様性と野生!」
— 菅原千代志(カメラマン兼ライター)—



南アフリカには何度行きましたか?
南アフリカには5回以上行きました。最初に行ったのは2003年。それからほぼ毎年行っています。今年は2回程行きました。全て、取材のための旅行です。

南アフリカの何処へ行きましたか?
行った場所は色々あるのですが、今思い出せるのは、ダーバン、ケープタウンとケープ半島周遊ツア―、サン・シティ、ブライデ・リバー・キャニオン、クルーガー国立公園ですかね。いくつかの場所には2回以上行ったことがあります。

昨年、南アフリカではワールドカップが開催されましたが、ワールドカップ開催前後で特に変わったことはありましたか?
特に変わった点は、インフラの部分ですね。特にダーバンはワールドカップを機に大きく整備されていました。もともと綺麗だった海岸付近に遊歩道が整備されて、さらに素敵になっていました。後は、街にいる警察官の人数が増えた気がします。

南アフリカについては治安について懸念の声をききますが、治安についてもワールドカップ前後で変化はありましたか?
南アフリカには何度も行きましたが、これまで1度も危険な目に合ったことがないので、治安が悪いと思ったことはありません。なにかワールドカップ前後で変わったとことがあるとすれば、何処へいっても自由時間が増えたということですね。メディアが取材をしているとわかっていて、少しでも危険な場所であれば自由時間などはないでしょうから、それは安全だという証拠のような気がします。

南アフリカに実際にいって、行く前の想像と変わった所はありましたか?
取材で旅行に出掛ける時には、ある程度下調べをして行くので、驚くということはあまりないのですが、クルーガーでサビサビ(*) に宿泊した時は、そのサービスの良さに感心しました。あの対応は素晴らしかったです。あと、サファリには何度か行ったことがあったのですが、サビサビでは動物がしっかり見られたことにも感動しました。動物のことを熟知しているレンジャー達の知識と彼らの連携のお陰なんだと思いますが、ビッグ5をはじめ沢山の動物が見られて満足できました。南アフリカでサファリをするなら、やっぱりサビサビみたいな私営動物保護区の高級ロッジをオススメしますね。他にもお手頃価格の場所はあるのでしょうが、サビサビには値段以上の価値があると思いました。
(*)クルーガー国立公園に隣接している、私営動物保護区。



南アフリカで一番印象に残っている場所はどこですか?
サビサビもそうなのですが、ブライデ・リバー・キャニオンに初めて行ったときが一番印象に残こっています。景観も確かに素晴らしかったのですが、カルチャービレッジや、フリーマーケット、お土産さんなどに立ち寄って現地の人々やその文化、歴史に触れたことが一番印象に残っていますね。

今度また、南アフリカに行くとしたら、どこに行きたいですか?
次回は是非、ドラケンスバーグ*に行って見たいですね。どんなところなんだろうという興味があります。プライベートでも取材でもいいので一度は行ってみたいのですが、日本からはあまりツア―が出ていないみたいですよね。それから、ハウトレイン(**)に乗ってみたいです。この前南アフリカに行ったときには駅は見られたのですが、残念ながら乗ることができませんでした。
(*)世界遺産にも登録されている、3000m級の山が連なる山岳地帯。サン族の古代の壁画あることでも有名。
(**)南アフリカ初の高速鉄道。南アフリカの空の玄関O.R.タンボ空港と首都プレトリアなどを結ぶ。

最後に南アフリカの魅力について語って下さい。
南アフリカの魅力は、民族の多様性と野生だと思います。南アフリカにいく行くとそこが他民族国家だということを視覚的にも感じます。色々な人々が一緒に生活し、調和しているという所が一番の魅力ですね。そして、それを見ていると、その文化にも興味を持たずにいられません。あとはやはり、その自然。南アフリカの雄大な自然はそのまま南アフリカの魅力なんだと思います。



世界60ヶ国以上を回っている菅原さん。縁のある所にはどうしても何回も行くようになるとおっしゃっていました。縁があるにしても、5回以上も行くのだから、南アフリカが嫌いははずじゃないと最初から思っていましたが、話を聞いているとやはり南アフリカが好きだっていうことが伝わってきました。 南アフリカの印象を話し終えられた後、「そういえば!」と南アフリカにいると太陽の位置が北半球と逆で道に迷ってしまうことを説明して下さいました。南アフリカでは太陽は北を動いていきます。太陽の位置を気にする理由が「僕が写真を撮るせいかな?」という自己分析にはなるほどと思いましたが、南半球にある他の国と南アフリカを比べても、南アフリカでは特に太陽の位置が気になるのと言われてしまえば、それだけの理由ではないと疑わずにいられません。「街の造りと雰囲気とエネルギーのせいか、南アフリカにいると太陽の存在を感じるよね? と同意を求められて、「確かにそうでしたね」と同意したものの、それが何故だったかはお互いなかなか上手く説明できませんでした。
このページのTOPへ

第2回 「南アフリカの空気を感じてもらいたい」
— 川上剛貴(現地手配代行会社勤務)—



川上さんのお仕事は南アフリカ旅行の手配ですが、川上さんがこの仕事と出会ったきっかけを教えて下さい。
きっかけは偶然です。大学卒業後しばらくしてから、たまたまJICAのプログラムでアフリカの地を訪れたのが始まりです。結局アフリカに5年位住みました。今でも仕事で年に5回くらいは南アフリカを訪れます。

きっかは偶然だったとしても、5年間もアフリカに住んで、今も南アフリカ関係の仕事に就いていられます。その理由を教え下さい。
アフリカに住む人々に魅せられたことが理由ですかね。彼らを見ていることで、人間らしさとか、夢を諦めないとか、一生懸命生きていくということを理解出来た気がしました。現地に住むとやはり黒人の方と出会うことが多かったのですが、人種差別という枠を越えて、とっても生き生きしているんです。東京では感じられないそのエネルギーに魅せられました。

南アフリカで一番お気に入りの場所はどこですか?
やっぱり、ケープタウンですね。ケープタウンには一度住んでみたいと思わせるような魅力があります。都会という利便性や気候の良さに加えて、少し街を離れればアフリカ的な大自然があるのは他の都市にはない魅力です。南アフリカのどの都市にも様々な人種が住んでいるのですが、ケープタウンの人種の多様性は顕著で、それぞれの人種が融合しようとしているのを目に見えるくらい感じられることがケープタウンの最大の魅力かもしれません。ケープタウンの時間の流れ方、その空気が好きです。

南アフリカにはお仕事で行かれることが多いと思いますが、プライベートで南アフリカに行くとしたらどこに行きますか?
ケープタウンはもちろんですが、ゆっくりのんびりリゾート感を味わいたいならば、ダーバン(*)へ行きたいですし、ゴルフを満喫したいと思えばサンシティ(**)に行くと思います。南アフリカには沢山の魅力があるので、その時の気分によって目的地は変わると思いますよ。後は、タウンシップ(***)の中にあるシャビーン(****)に行くのも好きです。タウンシップの中にはまだアパルトヘイトの影が見えますが、そこにいる人々は本当にフレンドリーで飲みに行くとすぐに話しかけてくれて仲良くなれます。そんな人たちと話してエネルギーをもらいにいくのもいいですね。
(*)南アフリカの第三の都市。
(**)ヨハネスブルグから約2時間半の大人工リゾート。ゲイリー・プレイヤーが設計したゴルフコースがある。
(***)元黒人居住区。
(****)南アフリカの居酒屋的なもの。



個人的ではなく、皆さんに一度は行ってもらいたい南アフリカ、オススメの場所はどこですか?
オススメはなんといってもクルーガーです。大自然の中で動物を見る。これに勝るものはないですね。サファリにいって、動物が現れると目を奪われます。そして、人間も動物なんだということを実感します。雄大な自然のなかにいる野生動物を見ていると自分の存在の小ささを感じられますよ。人間なんてちっぽけな存在だって。クルーガーに行ってからケープタウンに行く。南アフリカに行くなら南アフリカの魅力が満喫できるこのコースがオススメです。クルーガーとケープタウン、大自然と都会、雰囲気は違いますが、どちらもそこにある空気が素晴らしいです。日本にいると感じられない何かがそこにあります。

仕事上、南アフリカ旅行に行かれる方とお話することが多いとおもいますが、南アフリカ旅行に行かれる方から質問されることはどんなことが多いですか?
南アフリカに旅行に行くとなると皆さんが心配されるのは治安です。ワールドカップの開幕前に南アフリカは治安が悪いと多く報道されていたせいだと思っています。そんな時私が強調するのは、観光で訪れるところに治安の問題はなないということです。海外旅行をする方にわざわざ危険な地域を紹介することはありません。ワールドカップ期間中も沢山の日本人の方々が南アフリカを訪れましたが、大きな問題は一つもありませんでした。南アフリカに旅行に行かれる方は旅行代理店が開く説明会にいらっしゃる人が多いですが、説明会にいらした皆さんはその点をしっかり納得して旅行に行かれますね。そして、旅行から帰ってくると皆さん治安のことなど話題にならないくらい沢山のいい思い出を楽しそうに話してくれます。



南アフリカは観光地として世界的には有名ですが、日本での知名度はまだ高いとは言えません。もっと多くの人たちに南アフリカに行って頂くのに必要なことはどんなことでしょうか?
治安のこともそうですが、南アフリカは地球の裏側にあって、何度も飛行機の乗り換えをし、何十時間もかけてしか行けないのではないかと思っている人がまだ沢山いるのには驚かされます。情報不足とそれに伴う認識の間違いを正していくことが大切だと思います。日本から南アフリカへの直行便はありませんが、日本から南アフリカまでは17時間。ヨーロッパとさほど変わりません。また、最近は南アフリカワインや南アフリカのフルーツなどもどのスーパーマーケットでも見るようになってきました。さらに、南アフリカにあるトヨタの工場は南アフリカでも最大級の雇用を誇るなど、日本とも関係の深い国です。そういう意味で、南アフリカをもっと身近に感じてもらい、さらに多くの人に南アフリカに行ってもらいたいです。

最近は海外旅行に行く日本人が少なくなってきていると話した川上さん。もっと若い人に海外旅行に出掛けてもらって、日本以外の世界を見てもらいたいと言っていました。「南アフリカで感じることができる大自然や、様々な人種の融合はそれぞれの人間形成に相乗効果をもたらすに間違いない。若い20代や30代の人に南アフリカに訪れてその空気を感じて欲しい」と熱く語ってくれた川上さん。いつも「南アフリカから今、帰ってきました!」というようなキャラクターとそのフレンドリーな語り口の中に、自分の仕事に対する熱い思いを垣間見ることができたインタビューとなりました。南アフリカ旅行を手配しているのは南アフリカに行ってもらいたいから。そんな言葉が浮かぶ会話を、ジョークを交えながらする姿は、人生を楽しむことを大切にする南アフリカ人と共通するものに違いありません。
このページのTOPへ

第3回 「自分を見つめられる場所」
— 礒嵜みどり(現地手配代行会社勤務)—



礒嵜さんと南アフリカの出会いを教えて下さい。
ケニアを旅行したのがきっかけですね。20代半ばで、友達がケニアに行った話を聞いて、ケニアに旅行に行きました。そこで、サファリを体験してそのアフリカの魅力にとりつかれたのがきっかけです。サファリをした時、「サファリのガイドになりたい!」と思ったんですよね。

初めはケニアだったのに、それが南アフリカまで広がっていったのは、何がきっかけだったんですか?
ケニアから帰って来た後、サファリガイドになりたいという夢を叶えるために、「旅行業界で働こう!」と思ったんですよ。そこで、通信で勉強をして資格をとり、小さな旅行会社に転職しました。その会社で働いている時に、南アフリカに行きたいと言うお客さんがいて、初めて南アフリカというものを意識しました。当時の私は南アフリカについて何の知識もなかったですから、色々調べたり、南アフリカに詳しい人に助けてもらいながら、南アフリカ旅行を手配しました。そして、そのお客さんが旅行から帰って来て、南アフリカが本当に良かったと言う話を聞いて、「自分も南アフリカに行きたい!」と感化されて、南アフリカ旅行に行ったのが南アフリカとの出会いですね。

初めての南アフリカはどんな印象でした?
初めての南アフリカ旅行ではクルーガーとケープタウンに行ったのですが、トラブル続きで結構散々だったんですよ。(笑)でも、個人旅行だったので、現地で他の国から来た観光客と話したりして、仲良く慣れました。ケープタウンに行った時に、ドイツから南アフリカの語学学校へ英語を勉強しに来ているという若者達にあって、「私も英語を勉強したい!」と思ってしまったのがきっかけです。それで、日本に帰ってから色々調べて、今度はケープタウンの語学学校に3ヶ月程通いました。ケープタウンは住みたいと思わせる街でしたね。

語学学校に通った後はどうなったんですか?
語学学校に通ったのはサファリガイドになる夢を諦めきれなかったからなんです。3ヶ月英語を勉強して、日本に帰って来た後、現職に就いて、それでもまだサファリガイドになりたくて、今度はクルーガーにあるサファリガイドの学校に6週間通いました。そこで必死で勉強したものの、試験には落ちてしまって、日本に帰って来て、また一から必死に勉強して、もう一度南アフリカに試験を受けに行って、2回目で学科は受かりました。学科に受かった後は3ヶ月の実地訓練を受けなくてはいけなかったのですが、お金と時間の余裕がなくて受けられませんでした。でも、必死に頑張ったので達成感はありましたよ。



なんだか、壮絶ですね。(笑)そんな南アフリカにも住んだことがある、礒嵜さんがオススメする、南アフリカはどこですか?
おすすめはやっぱりクルーガーでのサファリです。動物を見ているとその迫力と野生動物の持っている美しさに感動しますよ。南アフリカのサファリは体験の質が違います。長い滞在を考えている人は、国立公園もおすすめですが、日本からの旅行者に多い、短期間で動物を見たいという人には私営動物保護区の方がいいかも知れません。

私営動物保護区でのサファリの良さを教えて下さい。
私営動物保護区のロッジに泊まってのサファリはそのプライベート感がいいですね。まず、そのサービスが素晴らしいことに驚かされます。大自然の中でリゾート感を味わえるというか、そのおもてなしにも満足すること間違いなしです。そして、サファリに行っても、舗装道路を外れて、ブッシュに分け入って動物に近づける私営動物保護区では動物を本当に間近に見られます。その息づかいが分かるくらい近くで動物を見ると、動物と時間を共有しているみたいな感動がありますよ。なによりサファリガイドが付く私営動物保護区では、動物に会える確率も格別です。やはり、サファリに行ったら出来るだけ動物を見たいものですからね。

もし、礒嵜さんが1人で好きなだけ南アフリカに行けるとしたらまず何処にいきますか?
私が一番好きなのは、北ケープ州なんです。砂漠地帯ですし、日本からはちょっと行きにくい場所なので、全然有名ではないんですけど、語学学校に通っている時にクラスメイトと夜行バスに乗って行きました。ケープタウンもいい街だし、サファリも凄いと思うのですが、私が一番気に入っているのは土色のアフリカです。荒涼としていて、風車以外は何もない、そんな場所でなーんにもしないで、南アフリカの土の匂いと、風の匂いがする空気を吸っていると自分がはっきり見えてくるような気がするんです。

礒嵜さんは南アフリカ旅行の手配をなさっていますが、南アフリカで行われたワールドカップを機に日本からの南アフリカ旅行に何か変化はありましたか?
私が手配する方々は個人で南アフリカ旅行に行く方が多いのですが、変化はワールドカップよりも、今年3月の震災後の方が大きかったですね。震災は旅行業界に大きな打撃を与えましたが、南アフリカ旅行に関して言えば、ほとんどキャンセルがでないなど、大きな影響がなかった上に、どちらかというと、震災後の需要は増えました。特に両親に南アフリカを見せたい!と言う方が多くなって、そういう方は個人旅行で最上のものを求める方が多いです。相対的に見ても南アフリカ旅行に行く方は「ずっと行きたかったけど、なかなか行けなくて、やっと時間もお金の都合もついたので、念願叶って行きます」 って方が多いですね。インターネットが普及している最近では、皆さん下調べをしているみたいで、具体的に行きたい場所がある方がほとんどです。

礒嵜さんの考える、南アフリカの魅力ってなんですか?
先程も話しましたが、南アフリカに行く方は、長い間行きたいと考えている人が多いので、実際に行くまでに期待度がかなり高まってくると思うのですが、行った人はみなさん、大変満足されて帰ってきます。そういう意味で、南アフリカの魅力はその想像を超える感動なんだと思います。南アフリカでの感動は「動き」のある感動です。大自然も動物も写真で見たことがあったとしても、実際に見てみると写真と全く同じだと言うことはありません。しかも毎日違った顔を見せてくれます。南アフリカの感動に想像はかないません。そこにある、空気や匂いが感動を誘います。南アフリカは概念までも変えてくれるようなそんな場所のような気がします。



南アフリカには何度も行ったけど、語学学校に行っている時に体験した南アフリカが一番良かったと語った礒嵜さん。「南アフリカの思い出って私のなかでは宝物なので、本当は独り占めしたいんだけど、でも、もし南アフリカについて何か聞かれたら、絶対、話さずにいられない」と言っていました。きっと南アフリカで「自分」を見つけたに違いありません。もう、サファリガイドになるつもりはないとおっしゃっていたものの、これからはアフリカ関係の仕事しか出来ないという言葉の中には色々な意味が込められている気がしました。
このページのTOPへ

第4回 「南アフリカ人のホスピタリティー」
— 広瀬 恵理(PRコーディネーター)—



南アフリカで訪れたことがある場所を教えて下さい。
今まで、南アフリカには5回くらい行ったことがあるのですが、南アフリカの3大都市であるヨハネスブルグ、ケープタウンとダーバンには全て行きました。後は、クルーガーでサファリをしたこともあります。一番最近では、2010年のFIFAワールドカップ大会の開催期間中に南アフリカを訪れ、ラステンバーグで日本対デンマーク戦を観戦するチャンスにも恵まれました。

南アフリカで行われたワールドカップ大会はどのような様子でしたか?
それはもうお祭り騒ぎでしたね。もちろん、空港に着いたら大きなサッカーボールが出迎えてくれたりするなど、国中がワールドカップ一色だったんですが、それよりも、南アフリカ人がワールドカップというイベントを楽しんでいるのが印象的でした。日本戦を観戦した時も、競技場の外で大勢の人が唄ったり、踊ったり、ブブゼラを吹いていたりと、南アフリカ人はこうやって人生を楽しんでいるんだって感激するくらいのお祭り騒ぎでしたよ。あの盛り上がり方は南アフリカ独特のものですよね。

ワールドカップ直前には南アフリカに対するネガティブな報道が沢山されていました。南アフリカに行ったことのある広瀬さんはどう感じていましたか?
私は南アフリカが好きなので、事実無根とも言えるような報道を見ると、ビックリするというか、腹が立ちました。でも、基本的には「行けば分かるのに」と思っていましたよ。特に治安については、報道されているような危険がないことは一度行けば分かるはずですからね。南アフリカには、ワールドカップ以前からもヨーロッパをはじめ世界各地から沢山の人が観光に訪れていますし、南アフリカ自体も観光に力を入れているので、観光客を受け入れるという面においては、南アフリカは日本よりもずっと進んでいると思います。

これまで、南アフリカを訪れて一番印象に残っている場所はどこですか?
一番印象に残っているのは、場所というよりもそこで出会った南アフリカの人々です。南アフリカ人は人懐っこくて、いきいきしていたのがとっても心に残っています。南アフリカでは日本よりずっと貧富の差が激しく、タウンシップ(*)を訪れた時には、その暮らしぶりは決して生活水準が満たされてはいないものの、そこにいる子どもたちは、ボロボロになったサッカーボールを本当に楽しそうに追いかけていましたし、テレビゲームや携帯電話がなかった頃の子ども達の本来の姿なのかも、と思ってしまいました。そういうのを見ていると、幸せは他人に決められるものではなくて、その人の心が決めるんだなと実感しました。確かに、南アフリカに比べると日本は経済的には豊かですが、南アフリカから学べることは沢山あると思います。
(*)元黒人居住区



具体的に南アフリカ人から日本人が学べることはどんなことがあると思いますか?
南アフリカ人の「ホスピタリティー」ですね。ワールドカップ大会期間中に南アフリカを訪れた時には、南アフリカ人の友人の家に泊まりました。実は、直前まで泊まる所が決まらなくてハラハラしていたのですが、そんな私に泊まる所を提供してくれただけでなく、「おまえはゲストだから」といって本当に良くしてくれました。日本だと、親切にされると、逆に遠慮しがちになるのですが、そんな遠慮をする余地もないくらい、「できるだけ南アフリカを楽しんで欲しい!」という気持ちが伝わってくるので、気がついたら家族のようになっていました。そんな感じで、南アフリカでは、それぞれが助け合いながら、臨機応変に状況に応じて対応することで、最後には何とかなるという展開が多いです。そこに南アフリカ人の何でも受け止めるような「包容力」や「ホスピタリティー」を感じますね。日本人が忘れている部分ではないでしょうか。

初めて南アフリカに訪れる人にオススメする場所はどこですか?
南アフリカには見所が沢山あるので、どの場所もおすすめなのですが、南アフリカを楽しむなら現地で行われている何かのイベントに合わせて行くといいと思いますよ。南アフリカの魅力は地元の人達です。特にイベントなどの盛り上がりは、やっぱり南アフリカ独特の雰囲気で、南アフリカ人が歌って踊ってお祭り騒ぎをしているその雰囲気に触れるだけで、沢山エネルギーをもらえると思います。私もケープタウンには何度か行ったことがあるのですが、ケープタウンで行われるジャズフェスティバルを訪れた時が最高でした。あの時もワールドカップ開催時のように、「The Celebration」という感じでみんなが歓喜に沸いていて、その雰囲気が素晴らしかったです。

次に訪ねてみたい南アフリカの場所はどこですか?
ポートエリザベスからケープタウンまでのガーデンルート(*)に行ってみたいですね。ナイズナのオイスターは絶対食べてみたいし、サーファーの聖地であるジェフリーズベイ、大自然のなかのアクティビティーも楽しめるガーデンルートには一度は行ってみたいと考えています。行くときは細かく計画を立てないで、B&B(**)に宿泊しながら、海岸線沿いの街や景観を、時間をかけてゆっくり楽しみたいですね。すぐに行けるかどうかは分かりませんが、南アフリカには「南アフリカの水を飲んだ人は南アフリカに必ず戻ってくる」という言い伝えがあるので、私もきっとまた南アフリカを訪れるんだと信じています。南アフリカの友人も、私の帰りを待ってくれていますから。
(*)ケープタウンから東へポートエリザベスまで、インド洋に面した海岸線にある景勝ルート。変化に富んだ海岸線や原生林、渓谷の他、ワイナリーやダチョウ農園など魅力満載の観光ルート。
(**)ベッド&ブレックファストの略。朝食付きの小さな宿泊施設。


「質問されていないけど」と言って、南アフリカ人の友人とケープタウンの夜の街に出掛けた話をしてくれた広瀬さん。広瀬さんが「ケープタウンは綺麗な街だね」と話したら、南アフリカ人の友達が「君の心が綺麗だからそう映るんだよ」と言ってくれたというエピソードを話してくれました。「日本語で言うとちょっと恥ずかしいセリフだったけど、南アフリカで聞いたときはしっくりきて、自分には心の余裕がないんだって気がついた」と語ってくれました。「人との接し方」や「人のぬくもり」など南アフリカ人から学んで成長した部分が大きいと言っていた広瀬さんは、南アフリカでは、ゆっくり時間が流れていて、何でも包み込むような包容力があるので、何も決まってなくても、予定を立てなくても、最後にはつじつまが合うから、何でも可能なような気がすると言っていました。心の豊かさというものを考えさせられたインタビューでした。
このページのTOPへ

第5回 「アフリカだったら山やオフロードも走ってみたい」
— 中村 薫(KaO)(プランナー/自転車アクティビスト)—

All photos © KaO
南アフリカに行くことになったきっかけを教えてください
「ケープ・アーガス・サイクル・ツアーというイベントが南アフリカであるので、そのコースの試走に行ってみませんか?」というお話がPAPERSKY(*)に来て、「アフリカ!?面白そう!」ってすごく興味を持ったんですね。というのは、これまで世界各地の自転車イベントに参加するために、主にベルリン、アイルランド、北欧などヨーロッパと、アメリカ、それからカナダのトロントには行っていました。初めは「自転車=南アフリカ」っていうイメージが全く無かったのですが、「住みたいぐらい好き」「自転車天国だよ」という自転車が好きな人の声も聞いて、それで行ってみようと思ったんです。
(*)PAPERSKY  中村さんが活動の場のひとつとしている“地上で読む機内誌”をテーマにしたトラベルマガジン。雑誌、ウェブのほか、イベントなども行っている。詳しくは、このインタビューの最後を参照。

今回コースを試走した「ケープ・アーガス・サイクル・ツアー」とはどんなイベントですか?
いろんな人が参加できるイベントだと思います。コースは距離も長いし、アップダウンもすごく多いし、とにかく自分との戦いです。基本的に海に囲まれているので、コース中の五分の三ぐらいは海沿いを走っていると思うんです。そうすると風が本当に敵にもなるし、味方にもなるんですけど、それを感じるためにも挑みたくなるお祭りだと思います。タイムを競うイベントとは聞いていますが、そのタイムを競うってことはむしろ売りじゃないと思ったんです。タイムじゃないところに魅力を感じる人が、十分に楽しめるツアー=自転車の“旅”なんだと思います。仮装して走るひともいるそうだし、老夫婦が2人乗りの自転車で走ったりしてたら、より興味深いでしょうね。自転車にそんなに興味がない人でも、一年に一回、例えば仲間であったり、夫婦であったり、一緒に自転車で旅をするってことを楽しむためのお祭りなんじゃないかな、って思います。

ツアーに実際に参加してみたいですか?
試走する前は、110kmという距離数などを聞いていたので、弱腰な感じがありました。全コースを走っていないので、実際に走ったら大変だろうけど、実際今回行ってみて「いいな」と思えてきましたし、参加して本当に全部一周走ってみたくなりました。

自転車で走ってみたケープ半島の魅力は?
コースを走っていると、もう何度も出迎えてくれるのが海、海、海なんですよ。「あ、また海!」って思う瞬間もあるんですが、どの海も違う表情なんです。その一つ一つを、楽しめる。いろんな海があって、いろんな港町があって、その内陸にもアップダウンがあり坂を登ったり下ったりしていくなかでいろんな町があって、でもまず海に感動したんです。この景色は南アフリカじゃなきゃないだろうというのはありました。大西洋とインド洋の2つの大海に挟まれたアフリカ大陸の最南端って、日本でいうと日本海と太平洋が一緒に見られているような感じじゃないですか。ちょっと違うかもしれませんが(笑)、とにかくダイナミックで、大きかったです。

All photos © KaO
行く前と行ったあとで、南アフリカに対する印象は変わりましたか?
かなり変わりました。「南アフリカ」と言えば、本当に、サファリだとか、動物がいっぱいいて、砂漠地帯が広がっていてという印象でした。それって素人的な発想だったと思うんですが、実際に行ってみて、ライオンやらヒョウやらキリンやらがどこにでもいるわけじゃないだっていうことに気づけました。もちろん南アフリカの他の場所にはそういう自然もあるでしょうけれども、ケープタウンは、気負わずに行ける町だと思います。

南アフリカへ行ったことがない人に、どう紹介しますか?
アフリカへの旅行を考えたこともない人も、もっと普通に買い物にとか、リラックスしにとかだけでも行ける町なんだって。私たちは今まで「ヨーロッパ=自転車」いいねと思っていたんですけど、「南アフリカ=自転車」でもあるんだなってことに気づけたんです。少しでも自転車に乗っている人にはぜひ一度行ってもらいたい町ですね。治安のことを心配する人も、普通に海外に行く時に日本にいるときよりは注意するじゃないですか。それで十分なんだなと。バッグの口を開けて歩かないとか、裏路地に行かないとかっていう意識さえきちんと備えていれば怖くないって思いました。他の外国に行く時と同じ感覚で行けば大丈夫です。

これから南アフリカに行ってみたいという人に、アドバイスをお願いします
さきほどの治安に関することを意識して、あと、いろんな先入観は取っ払ってほしいと思います。何かのきっかけがあれば、どこへでも行ってほしいと思うんです。PAPERSKYのウェブサイトやFacebookページで今回の旅の写真を見て、行ってみたいという人からの反響がありました。これをきっかけに、少しでも心を動かされたら行ってもらいたいですね。

自転車で走ろうという人へのアドバイスは?
基本的に道路は全部舗装されていたので、マウンテンバイクでもいいしロードバイクでもどんなバイクでも持って行けると思うので、そこは心配しなくていいよということはお伝えしたいと思います。普段、自転車に乗らない人にとっては、確実に行動範囲が広がるので、レンタル自転車を借りるという選択肢をオススメしたいですね。南アフリカだと、喜望峰まで行くのも距離があるじゃないですか。途中までレンタル自転車で行って、帰りは車に載せて引き取ってくれるサービスもありますから、帰りは無理なく公共の交通機関を利用するという方法もあります。現地でぜひ自転車を借りて、ケープタウンで行動範囲を広げるために自転車に乗ってもらいたいと思います。無理しなくていいんです。

もしもう一度南アフリカに行く機会があったら、どんなことをしたいですか?
南アフリカには、もちろんサファリもあるんですよね。そういうところを走りたいと思います。ケープタウンは今の私の町の延長だなと思ったんですよ。もちろん景色は東京とは違いますよ。ダイナミックな美しい景色を見ながら走りましたけど、日本ではあまり遠くへ行きたいとか、山を走りたいと思わないのですが、アフリカだったら走ってみたいという感覚に目覚めました。砂地とか、砂漠とかでも、舗装されていない道路を自転車で走って、動物とか、現地の人ともっと触れ合えるようなことをしたいと思います。ホテルのウェイターさんや、ウォーターフロントで出会ったシンガー、アフリカンレストランで歌と踊りを披露してくれる黒人の人たちの陽気さや、体にしみこんでいる音や踊りの感覚にぐいぐい引き込まれました。こんど南アフリカへ行ける機会ができたら、黒人の方たちが大切にしている歌とか踊り、明るい笑顔やあったかさなどに、もう少し触れてみたいです。この国の文化をもっと、きちんと知りたくなりました。
All photos © KaO    PAPERSKY no.37表紙

社会人になりたての頃、勤め先のオフィスが都心にあり、街を走っているメッセンジャーを見て「自転車で街を走るって、かっこいい」と思った中村さん。そこで「通勤で自転車を使おう」と思ったのが、自転車との出会いだとか。今では4台の自転車を持つほどの自転車好きで、「体を動かしているという実感があるのと、街の空気や音、景色を自分の目と肌と五感を使って感じられる。ふと、季節の変化に気づけたり、見て聞いて感じたりできるん。それはとても気持ちのいいこと。歩いていたほうがよりいろいろなものに気が止まるとは思いますが、自転車だと行動範囲がすごく広がるということも魅力だと思います」と語ってくれました。現在は、「ツール・ド・ニッポン」というテーマで、京都、青森、高松などを走りながら各地の食べ物や伝統品に触れ、自転車で日本の魅力を再発見するイベントの企画、運営を日本各地で行っているそうです。「外国の人が、自分の住む土地のことをよく知っているように、私もきちんと日本のことを知って、話せるようになりたいんです。だから今は、日本のことに興味があります。ただ、もちろん行けるならどこへでも行ってみたいのですが、もしまた行けるなら、南アフリカには早く、また行きたいです。今回滞在した2.5日という期間じゃちっとも語れないので!」と話し“愛車”で帰って行きました。中村さんの次の南アフリカへの旅は、ケープ・アーガス・サイクル・ツアーになるかもしれません。

☆今回の取材の特集記事は全3回で下記に紹介されている。
第1弾
自転車で走る、南アフリカ/ケープタウン
第2弾
気分はツール・ド・ケープタウン!? 3.11は南アでサイクリング
第3弾
絶景三昧、美食三昧!ケープタウンは見どころ満載

PAPER SKYについては、http://www.papersky.jp/を参照。
このページのTOPへ

第6回「プラスアルファを楽しめる、さまざまな表情を持つ国」
— 謝 孝浩(ライター)—



まず、謝さんとトライアスロンの出会いについて教えてください。
あるとき航空会社の機内誌のために、ロタ島(*)という島でのトライアスロンの取材を頼まれたんです。それまで添乗員の仕事で登山ガイドなどもしていた関係で、体力が衰えないようにハーフマラソンに出て走ったりとか、雑誌を読んで自己流で1キロぐらい泳いだりしていたので、「あとはそれに自転車をやればできるかな?」と思ってお引き受けしたんですが、実際にその海のきれいなロタ島でトライアスロンに挑戦してみたら、非常に魅力的な大会で、すっかりトライアスロンにハマってしまいました。
(*)北マリアナ諸島の中にある、人口約3,300人のアメリカの自治領。

そのトライアスロンの魅力はどんなところにありますか?
大人になると自分の限界を決めてしまいますよね。でも、トライアスロンに参加してみて、久しぶりにその限界以上のことができたという充実感もあったし、もう始めて13、4年になりますが、毎回参加するたびに、普段の生活では感じることのないようなドキドキする気持ちを体感できるので、その辺が魅力だと思います。学生時代から一人旅をしていたのですが、トライアスロンは一人でできる競技だし、自転車はツールが入ってくるので、人力だけでは出ないスピードも出たりとか、スキルが要求されたりとか、そういったプラスアルファの奥深さがある。僕はトライアスロンの中では自転車が一番苦手で、練習のために秩父までよく行くんですけど、片道100キロ弱ぐらいまで行くようになって行動範囲が広がりました。苦手な競技をどう攻略するかという戦力的な楽しみもあると思います。

謝さんから見た「アイアンマンレース」とは、どんなイベントですか?
アイアンマンシリーズというのは、レース自体をうまくブランド化したもので、非常に運営がしっかりしています。予選がいっぱいあり、最後にハワイ(*)で34年ほど続いている大会があって、それに出るために世界中のアイアンマンレースで鎬(しのぎ)を削るわけなんです。プロの人も出ますが、年齢ごとに5歳刻みで一般人も最終予選に出られる大会です。だから、若い人だけじゃなくて、80歳ぐらいまで年を重ねても、予選さえ通過できれば最終レースに参加できる。そして、完走できるだけでも「アイアンマン」の称号をもらえる、一般の人も巻き込んだシリーズなんですね。けれども、それは非常に距離が長いもので、スィムが3.8キロ、自転車が180キロ、その後にフルマラソンが42.195キロと、すごく大変じゃないですか。そうすると限られた人しか参加できない。それをすべて半分にしたのがこの70.3というシリーズなんです。距離が短いだけではなく、フルだと制限時間で17時間ぐらいかかるものが、70.3なら時間もその半分ということになるのでゆっくりできるし、体に負担もないので、観光もできたりして、アイアンマンプラス何かができるという、観光がらみで行くには非常に楽しいイベントなのかなと思います。
(*)以前はオアフ島で行われていたが、今はハワイ島(コナ)で行われている。

ところで、今回の訪問の前後で、南アフリカに対する考えは変わりましたか?
今年50歳になったんですけれども、90年代に民主化されたとは聞いていても、僕たちの世代にとっては子どもの頃からのアパルトヘイトの印象があります。ワールドカップで南アフリカの話題を目にすることはあっても、イメージとしては子どもの頃からの印象が残っていました。それで、今回実際に行ってみたら、南アフリカが民主化されているということもわかったし、一方でそれなりに問題も抱えているということもわかったけれども、僕たちが行く観光地、たとえば今回行ったケープタウンに関しては特にヨーロッパ的な色彩を濃く感じました。もう一つ気づいたのは、南アフリカにはさまざまな表情があるということです。ケープタウンや喜望峰といった観光地のイメージだけではなくて、いろんなところに風光明媚な場所があったり、今まで知らなかった場所があり、行く前に本で見て、「こんなにいろんな表情を持っている国なんだ!」ということがわかって、取材してみたら面白いだろうなという印象を持ちました。



今回の旅で、もっとも印象に残っている場所はどこですか?
自身もランナーで、毎日走っているという現地のガイドさんに連れて行ってもらったライオンズヘッドのトレイルがよかったです。観光地というだけではない、走っていて楽しいコースで、朝の光の中でケープタウンの街も見下ろせるような、地元の住民も走っているような場所だったので、そこが非常によかったですね。現地のアスリートの普段の生活の中に溶け込めるというか、非常に景色もいいし、旅の奥深さというか、幅が広がったというか、アスリート的に非常に面白い場所に連れて行ってもらったのがよかったです。

南アフリカの人々についての印象を教えてください?
いろんな国を旅していると、時間にルーズな場所もあるんですが、時間にきっちりしているなという印象が強かったです。あとは、ガイドの方にも、限られた時間の中で僕たちにいいものを見せて楽しませたいというホスピタリティーを感じました。レース中にボランティアの人にも会ったんですが、みんな陽気ですね。自分が楽しいと思っていればノリもよくて活発で、ホスピタリティーもあって、人懐っこいんだなと思いました。今回の取材ではそれほど多くの人と深く関わってはいないのですが、インタビューしたアスリートの方については「こんなに垣根もなく、こんなに陽気で頑張っているんだな」と思いました。

南アフリカでしか体験できないことは何でしょうか?
いろんな表情を見るというのが、一つの体験だと思うんです。(南アフリカでは)それが可能なんだと思いました。例えば、サファリをしながらリゾートも楽しんだり、タウンシップの生活を見た後で観光もできたりとか、いろいろな組み合わせができて、国土以上に幅の広い国ですね。いろんな表情を持っているから、一つの旅の中で自分のテーマに合わせて例えば花を見たりして、それにプラスしてサファリを見てもいいだろうし、”This is Africa.”みたいなサファリや砂漠っぽいイメージとは別にヨーロッパ的な顔も見られる楽しみがあるんじゃないかと思っています。いろいろな表情を一つの旅に盛り込めるのが南アフリカの旅の魅力だと思います。

もしもう一度南アフリカへ行く機会があったら、どこでどんなことをしたいですか?
今回は行けなかったんですが、サファリには行ってみたいですね。自然が好きなので。しかも、普通のサファリではなくて、プライベートリザーブの、「大人のサファリ」というか、リゾートと絡めたようなものがあるというのを初めて知って、大人ならではの楽しみ方をしたいというのが一つ。もう一つは、植物。日本でもオフィスに飾るために花を買うんですが、取材で留守にする間に水をやらなくても枯れないような乾燥に強い植物に興味があって、花屋さんに聞いてみたら「南アフリカ産のがいろいろ輸入されてるよ」というんですよ。一年に一度、2~3週間だけナマクワランド地方の大地いっぱいに咲くという花を見てみたいです。ライターとしては、タウンシップへ行ってアパルトヘイト後の南アフリカも見てみたいし、ユネスコの世界遺産にも登録されている(ネルソン・マンデラ氏が収監されていた)ロベン島にも行ってみたいです。

最後に、これから南アフリカに行こうと思っている人へのメッセージをお願いします
ワールドカップの時の報道などで「危ない」というイメージを持っている人もいると思うんですが、実際に行ってみると、日本や他の国と同じで、危ない場所もあるでしょうけれども、自分の意識次第だと思うので、それをちゃんとしていれば危険な目にも遭わないでしょう。それだけを恐れてせっかく魅力あるこの国に行かないのはもったいないと思います。行きたいなと思った人は、それ以上のものが得られるので、旅の選択肢として入れても非常に魅力的だなと思います。食事とか水とかの心配がなかったのもよかったです。ケープタウンにしか行っていませんが、水道水も普通に飲めるし、予防接種も要らないので、思ったより気軽に行ける場所だと思いました。アスリートの方はレースがメインで行かれるとは思うのですが、プラスアルファを簡単に楽しめるので、せっかくアフリカに来たんだから、ちょっとアフリカの雰囲気を楽しみたいと思ったら、近くでサファリやトレイルランもできるので、そういったレースプラスアルファの楽しみ方ができるっていうことでしょうね。

「今までに訪れた国の数は?」という問いに「数えたことがないんですよね。70とか80とか…。学生時代から探検部にいたし、大学卒業後は秘境専門の添乗員をしていたので、ヨーロッパや北アメリカ以外のさまざまな国の添乗員をして、中近東やアフリカ、ヒマラヤ、東南アジア、イースター島、南米、シルクロードにも行ってるし、アフリカでもマリとか、アルジェリアとか…もうあっちこっち行ってるんですよ」という謝さん。インタビューでお会いしたときには健康的に日焼けしていて、正にアスリート然とした風貌でしたが、一方で「仕事で依頼されて」と見せてくださったスケッチブックには、訪れた国の街の様子が細部まで丁寧に描かれていて、一つ一つの言葉を選びながら話される姿勢には、お話の中にあった南アフリカの国柄のように、いろいろな表情や魅力が垣間見えました。いつか謝さんの南アフリカのスケッチ入りレポートを読んでみたいと感じました。

*今回の南アフリカ取材は、トライアスロン雑誌『Triathlon LUMINA』誌による今年の1月、イーストロンドンで開催されたIRONMAN 70.3 レースの特集(協力:南アフリカ観光局)のためのものでした。こちらのレポートは4月号の同誌を、是非ご覧ください。写真の最後はその表紙です。
このページのTOPへ

wrapper_bottom